ブログ

日別アーカイブ: 2025年3月24日

第8回溶接雑学講座

皆さんこんにちは!
合同会社Levi’s商会、更新担当の中西です。

 

さて

~メンテナンスと交換時期~

ということで、溶接構造物のメンテナンス方法・交換が必要となる劣化の兆候・長持ちさせるポイントについて詳しく解説 します♪

 

溶接工事で作られた構造物や設備は、耐久性が高く、長期間使用できる ことが特徴ですが、定期的なメンテナンスを行わなければ劣化が進行し、安全性が低下するリスクがあります

また、溶接部に発生するひび割れ・腐食・応力集中による金属疲労 などの問題は、放置すると重大な事故につながる可能性があります。

では、溶接物の寿命を延ばし、安全に使用するためには、どのようなメンテナンスが必要なのでしょうか?また、交換時期はどのように判断すればよいのでしょうか?


1. なぜ溶接物のメンテナンスが必要なのか?

① 安全性の確保

溶接構造物は、建築物・橋梁・配管・機械部品・プラント設備など重要な役割を担っている ため、劣化を放置すると崩壊や破損のリスクが高まる 可能性があります。

例:橋梁の溶接部が腐食し、強度が低下すると、崩落事故につながる
例:プラント設備の配管が劣化すると、ガス漏れや爆発の原因になる


② コスト削減(早期補修で大規模修理を回避)

溶接部の劣化を早期に発見し、適切に補修すれば、大規模な修理や交換を防ぎ、コストを削減することが可能 です。

軽微なひび割れを補修せず放置すると、大きな亀裂に発展し、補修費用が数倍に増加する
定期メンテナンスを行えば、長期的に設備の寿命を延ばし、交換頻度を減らせる


③ 法規制の遵守(点検義務)

溶接を用いた構造物は、定期的な検査が義務付けられているケースが多い です。例えば、

  • 建築基準法(鉄骨構造物の定期点検)
  • 労働安全衛生法(圧力容器・配管の点検義務)
  • 道路法(橋梁・高架橋の定期検査)

こうした法的な点検を怠ると、事故発生時に責任が問われることもあるため、適切なメンテナンスが不可欠 です。


2. 溶接物の主な劣化原因と点検ポイント

溶接物の耐久性を損なう主な原因には、腐食・ひび割れ・金属疲労・応力集中 などがあります。これらの兆候を早期に発見することが重要です。

① 腐食(サビ・酸化)

原因

  • 雨水・湿気・塩害による酸化
  • 化学物質やガスによる腐食

点検ポイント
サビが発生していないか?(特に溶接部周辺)
腐食による穴あきや表面の荒れがないか?
防錆塗装やメッキが剥がれていないか?

対策

  • 防錆塗装やガルバナイズ処理(亜鉛メッキ)を施す
  • 定期的に清掃し、湿気が溜まらないようにする

② ひび割れ(クラック)

原因

  • 溶接時の熱収縮による残留応力
  • 繰り返し荷重による疲労破壊

点検ポイント
溶接部に細かいひび割れが発生していないか?
金属表面の異常(剥離や変色)がないか?
振動や荷重がかかる部分にひびが広がっていないか?

対策

  • 溶接部の応力を分散する設計に変更する
  • 亀裂が発生した場合は、溶接補修を実施

③ 金属疲労(繰り返し荷重による劣化)

原因

  • 長期間の使用による材料の劣化
  • 振動や繰り返し荷重による疲労破壊

点検ポイント
定期点検で溶接部の微細なひびを確認する
振動が多い部分のボルトや接合部の緩みをチェックする

対策

  • 使用環境に応じた材料の選定(高耐久合金など)
  • 定期的に補強を行い、負荷を分散させる

3. 溶接物の交換時期の判断基準

メンテナンスを行っても、劣化が進行した場合は交換が必要 になります。以下の判断基準を参考にしましょう。

腐食が進行し、構造強度が50%以上低下している
ひび割れが拡大し、補修では強度が回復しない
金属疲労による亀裂が複数箇所で発生している
法定点検で「交換推奨」と診断された
設備の寿命を超え、安全基準を満たさなくなった

交換目安(業界別)

  • 建築鉄骨(鉄骨構造物):30~50年
  • 橋梁・高架橋:50~100年(補修を含む)
  • 圧力容器・プラント配管:20~30年
  • 船舶の溶接構造:15~30年
  • 自動車部品(フレーム・シャーシ):10~20年

4. 溶接物の寿命を延ばすためのメンテナンス対策

溶接構造物の寿命を延ばすためには、以下の対策が有効です。

定期点検を実施し、小さな異常でも早めに補修する
防錆処理(塗装・メッキ・コーティング)を適切に施す
荷重のかかる部分を補強し、応力を分散する設計に変更する
腐食の進行を抑えるため、湿気対策・排水設備を整備する
高耐久性材料(ステンレス・耐候性鋼)を使用する


5. まとめ:適切なメンテナンスと交換で溶接物の安全性を確保しよう!

溶接構造物は、定期的なメンテナンスと適切な交換判断によって、安全性を確保し、長期間使用することが可能 です。

劣化の兆候(腐食・ひび割れ・金属疲労)を早期発見する
適切な補修を行い、大規模な交換を防ぐ
交換が必要なタイミングを見極め、安全性を確保する

溶接工事を行った後も、適切な管理を続けることで、耐久性の高い溶接構造を維持しましょう!

 

お問い合わせはお気軽に♪