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第11回溶接雑学講座

皆さんこんにちは!

合同会社Levi’s商会、更新担当の中西です。

 

 

溶接業の環境とは?熱と火花の中で支える現場のリアル


今回は、鉄骨や配管、建設、造船、自動車など…さまざまな産業を支える「溶接業」の現場環境について一般的な市場での動向をご紹介します。


火花を飛ばしながら金属同士を結合するこの仕事、見た目の派手さ以上に、繊細な技術と体力が求められる世界なのです。


🔧 溶接とは?産業の基礎を作る仕事

 

溶接とは、金属同士を接合する技術であり、主に以下のような分野で活躍しています。

  • 鉄骨建築(ビル・橋梁)

  • 配管・タンク(プラント・製油所)

  • 造船・船舶構造物

  • 自動車・鉄道車両・航空機の製造

  • 精密機械や家具などの部品加工

つまり、溶接はあらゆる「モノづくり」の根幹を担う重要な工程なのです。


🌡 溶接現場の環境は想像以上に過酷

 

現場では、さまざまな環境要因が作業者の負担となります。

・高温環境

火花やアーク熱によって、作業空間は40〜50℃にもなることがあります。
特に夏場の屋内現場や配管内部では、熱中症リスクが非常に高いです。

・狭小・高所作業

タンク内部や高層鉄骨の上など、狭くて危険な場所での作業が多く、動きの自由がききません。

・視界制限と姿勢の辛さ

防護面をつけたままの作業や、仰向け・うつ伏せでの長時間作業も珍しくなく、身体的負担が大きいです。

・火傷・感電・有害ガスのリスク

溶接中は金属が2000℃近くまで加熱されるため、火傷や引火事故の危険性が常にあります。
また、金属から出る煙やガスは長期的な健康リスクも。


🧯 安全対策と装備の重要性

 

溶接は危険と隣り合わせだからこそ、安全装備の徹底が不可欠です。

  • 遮光面・溶接ゴーグル

  • 難燃性の作業着と手袋

  • 熱中症対策の送風ベスト

  • 換気と排煙設備の整備

また、現場ごとの**作業前ミーティング(KY活動)**や、定期的な健康診断・資格更新も大切なルールです。


👨‍🏭 若手離れとベテラン依存

 

溶接業界では、「人手不足」と「高齢化」が深刻です。

  • 高温・重作業で若者が敬遠

  • 作業は経験による職人技が必要で、即戦力化が難しい

  • 技術継承の機会が減少し、ベテランに業務が集中

このままでは「技術の空白世代」が生まれてしまう可能性もあるのです。


💡 溶接は“手に職”の代表格

 

一方で、溶接は国家資格や専門性が求められる「技能職」の代表格でもあります。

  • 一生モノのスキルが身につく

  • 高度な資格を取得すれば高収入・海外派遣のチャンスも

  • 熟練者は企業から引っ張りだこ

「モノづくりが好き」「現場で働くのが性に合う」という人にとっては、非常にやりがいのある職業です。


✨まとめ:火花の向こうにある誇り

 

溶接の現場は、暑く・重く・危険がつきまとう厳しい環境です。
しかし、そこには鉄と火を操る職人たちの矜持があり、建設や製造という大きな産業の土台を支えています。

次回は、そんな溶接業がこれからどんな「未来」を迎えていくのかを展望します。

次回もお楽しみに!

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